安心の最後の砦が工務店

未曾有の不況の話題に隠れてあまり目立たなかったが、またしても
偽装問題が起きた。サッシメーカー5社が防火性能偽装を行ったと
いうもの。これをニュースで知った時、「国はお金を取りすぎてい
る。ひとつの仕様で認定を取得するにはとても金が掛かるんだ。勘
弁して欲しい」という、とあるメーカーの担当者が昔嘆いたことを
思い出した。
しかし、金が掛かるといっても、やはり不正はよくない。なぜなら
消費者はまったく知らない次元の話しであるからだ。
今回の偽装は、試験体にはいわゆる「チャンピオン品」を使い、実
際の流通品はそうでない格落ち製品を「認定製品」として出荷・施
工したということだ。こうしたことが普通に行われれば極端な話、
梱包に「大臣認定品」というラベルが貼ってあれば、どんな建材だ
ろうと、プロである工務店ですら分からないだろう。
だからこそ求められるのが、モラルということになる。工務店や建
築士の中にも、「大臣認定品」ということで安心せずに、「本当に
安心できる材料なのか」ということを調べようとする人もいるほど。
こういうことからも、工務店は「消費者を守る」という意識を前面
に打ち出すことが必要だ。たとえ「認定品」であっても、自らしっ
かりと材料を再吟味し、検査・保証・コンプライアンスなどに積極
的に取り組み、消費者の味方であるという最後の砦となるようにし
たい。



一般 | No.57 管理人   2009/01/22(Thu) 17:35:46