坂の上の雲
小説『坂の上の雲』を読み終えた。
司馬遼太郎が40代の10年間を費やした作品だそうで、いつかは読みたいと思っていたのだが、文庫本8巻という大作と、時代考証を重んじるがためにややもすると主題と縁の薄い項が延々と続く、氏独特の展開に、読破の意欲をそがれるかとの懸念から後回しになっていた。

氏は日本の将来を心から心配して旅立って行ったと聞いていた。


『坂の上の雲』のあとがきを一部引用させていただく。

このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家達の物語である。
やがてかれらは、日露戦争というとほうもない大仕事に無我夢中でくびをつっこんでゆく。最終的には、このつまり百姓国家がもったこっけいなほどに楽天的な連中が、ヨーロッパにおけるもっともふるい大国の一つと対決し、どのようにふるまったかを書こうとおもっている。楽天家たちは、そのような時代の体質で、前のみを見つめながらあるく。
登ってゆく坂の上の青い天にもし一かけらの白い雲がかがやいているとすれば、それのみを見つめて坂を上っていくだろう。


サブプライムローン、リーマンブラザーズの破綻、麻生内閣の迷走、100年に一度の危機
すべて、マスコミ発の情報であるにもかかわらず、日本中が肩を落とし足元を見続けているようだ。
孔子の言う天命を知る齢になった私が、日露戦争勝利や第二次世界大戦後の復興のバイタリティーを知る由もないが、登ってゆく坂の上の白い雲を見つめ続けていく楽天的な日本人の一人になりたいと思う。


サブプライムローン、リーマンブラザーズの破綻も関係なく楽天的に暮らしている
アメリカのど田舎のヤキマで暮らすジョーのファミリーです。

一般  2008/12/29(Mon) 10:02:56