三澤千代治という人は、ご存知の方も多いと思いますが、ミサワホームの創業者です。
25年位前にミサワホームの草創期の物語を読んで、こんなに情熱的な集団が居るのかと胸が熱くなったのを覚えています。その中でも感動したのは、ミサワホームの住宅の階段は人間工学に基づいて設計されていて、上に行くほど段差の高さが少なくなる。という物でした。これはやはり、大工や建築技術者からは出ない発想で、当時、若輩者の私は さすがを10連発したいほど感動しました。(実際に作っていたかは不明です。)これからは住宅はハウスメーカーの時代になるだろうなという予想をさせるのに十分な材料でした。その後、ミサワホームは泡にまみれてか、大変な危機に陥り、なかなか脱出できず、支援に乗り出そうしたトヨタの資本介入を退ける為に、三澤氏が尽くした手は数々のメディアに「晩節を汚す」と酷評されていました。トヨタの申し出を断ったのには、大きければ勝てるのなら、トヨタホームが日本一、世界一で無ければならないはずだが、ベトナム戦争で勝てなかったアメリカのように大苦戦中だからだろうか詳細はわからない。若輩者で無知で起業を夢見ていた頃、憧れのミサワホームだったのに、何とした事だろうかと。当社の創業時には、『ライバルはミサワホーム』と心の中で何度も念じ続け、ロゴマークも真似をしたりしました。時は移り、今は三澤氏はミサワホームを離れ、地域工務店との連携で、家造りに再チャレンジするようです。
日経ホームビルダーに記事から抜粋した三澤翁談
「大手メーカーのビジネスモデルはもう古いんです。販売経費はかかる、広告宣伝費はかかる、物流費も、本社経費も。だいたい大手メーカーの社員の半分はセールスマンなんです。彼らは家をつくる事に関しては何の役にも立っていない。住宅の価格が原価が50%で、一般管理費が50%それが問題です。一般管理費を半分にした工務店グループをセブンイレブン並みの1万店舗の提携店を作って行こうと言っているんです。」
氏がミサワホームの苦境期に、発売した40坪1,000万円のモデルは大ヒットしたが、売れるほど採算割れとなり、住宅ローンのためのノンバンクも創設したり、その他、打つ手打つ手が裏目に出て、本体を更なる苦境に立たせることになってしまった。
今回、氏の模索する「ハビタ」というコンビ二工務店グループは、いつまでに目標とする五万棟を達成する事ができるのだろうか。西部の堤氏のように晩節を汚すと言う事にはなるまいが、住宅産業への大きな功労者として、評論家活動程度に収まっていられないところが、氏の血の熱さなのか。言うまでも無く、当社に届く「ハビタ」への誘いのDMは開封もしない。
一般
2007/12/09(Sun) 15:21:11